第11回居酒屋甲子園 全国大会出場5店舗 選出理由
≪全国大会壇上5店舗選出理由≫
◇北海道地区【北海道産直ビストロ SACHI 大通り店】
人間行動科学に基づいた独自の会議体系の総称である「トライアングルミーティング」を用い内部強化を促進。「経営塾」で形作られた企業マインドや店舗コンセプトが「商人塾」によって店舗に落とし込まれ、商品の魅力をお客様へ最大限伝える為の提供トークの統一化、売りたい商品を売る提案力の高さに繋がっている。
商品開発においても、地元漁港20ヶ所から自社物流で直接仕入れた美味しい食材を多種の食べ方で提案することはもちろん、市場に流通することなく廃棄されてきた未利用魚に特化して取り組んでおり、未だ知られていない食材に価値を与え提供することで、「お客様の立場で、お値段以上の価値を提案し続ける」という店舗理念を実践する取り組みとして認められました。また、こうした市場開拓の実現は、漁場からも感謝状を受け取るほど生産者へ向けた効果も発揮し、お客様からも、生産者からも企業理念である「あなたがいてくれてよかった」と感じてもらえることに繋がっている。
企業理念に一貫した取り組みはこれからの飲食業界への学びと気づきが多いと感じ、選出いたしました。
◇北陸甲信越地区【旬海佳肴一家】
【新潟を元気に!】という理念のもと「地元の宝物に気づけば、地域活性化につながる」というテーマを追求し、新潟の食文化を海外でもプレゼンするなど、食を通じて地域の魅力を世界へ発信している。手間を惜しまず和食に拘り抜くその姿は、食の本質を思い起こさせせてくれました。
新潟を丸ごと楽しむための取り組みとして、「鮮魚」「水」「米」「酒」という新潟ならでは価値を伝えるために真面目に日本の和食文化と向き合い、地域の酒蔵と共に開催する日本酒イベントでは、そこから新規の来店にも繋がり、イベント参加からのリピート率90%を誇るなど、日本酒好きがさらに日本酒好きを呼ぶという循環にまで発展。
さらには、日本の伝統料理である刺身や寿司を提供するために「魚学」で魚の扱い方の知識と技術を徹底的に学び、板前としてレベル向上と覚悟を培っており、食の本質をついた人材育成の形は、クールローカルを体現して行く上で誇るべき居酒屋の文化を発信してくれると期待し、選出いたしました。
◇東海地区【炭火焼肉 すぎ乃くら 七宝本店】
愛知県のベッドタウンであるあま市において若いファミリー層に着目し、7年間に渡りキッズ会員システムを構築し、その継続力により今では近隣地域の子どもの1/4である5,500名の会員数を獲得。地域に強く根付いているお店であることを実感させてくれました。
その取り組みは「親子三世代の笑顔のつながりで社会貢献」をモットーとし、地域に愛される郊外型の成功モデルとしてだけでなく、数年前のキッズ会員が今現在アルバイトとして多数入社するという実績にも繋がっています。さらに「受験休暇」という制度も導入しスタッフが長く働ける環境を構築。飲食業界の人材不足を横目に、地域の中で雇用を循環させていく地域貢献のあり方に、飲食業としての新たな可能性を期待させてくれました。
親子三代受け継がれてきた情熱と技術を軸に、創業50年の精肉店のノウハウと、信頼のおける仕入れ業者さんとの密な連携による商品力・販促力強化はもちろん、ロープレ形式での具体的な接客講習を行うことで、接客力・人財力の強化を図り、従業員満足と顧客満足を向上し続ける取り組み仕組みは、地域一番店を目指す飲食店にとって大きな学びを与えてくれることを期待し、選出いたしました。
◇関西第2地区【旬菜酒場 菜でしこ 長浜本店】
「1000センス1000センセーション」というコーポレートスローガンを掲げ、個々の能力を最大限発揮する為の人材育成の仕組みや、働くスタッフのやりがいを生み出す店舗運営の取り組みの数々は、「自立した個性」を活かし全員参加型経営の強い企業体制へと繋がっていることを実感させてくれました。
年間2万件のお客様アンケートから店舗における問題点や課題を数値化して見える化をはかり、スタッフが主体となり改善に取り組む研修会の実施、アルバイトスタッフの考案から生まれた名物料理の開発や接客の新しいオペレーションに至るまで、スタッフが自らやりたいと思う取り組みやアイディアを出し合い、役職に関係なく担当者まで自分たちで決定する全員参加型のPDCAサイクルを回す会議の実践など、徹底的にスタッフに権限委譲し、自立型の店舗運営を実践し続けていくその姿からは、オペレーションや効率の時代からこれからは個性が生きる時代へと外食の未来を切り開いていくんだという強い覚悟と想いを感じさせてくれ、飲食業の新しい未来へのメッセージを発信するプレゼンテーションが期待され選出いたしました。
◇九州第2地区【産地直送仲買人 目利きの銀次 新都心店】
飲食業界のほとんどの店舗が地産地消を打ち出す中、あえて「他産地消」をコンセプトとして、自社物流の独自のルートで全国各地の厳選された食材を仕入れ、地元沖縄のお客様へ新しい食の発見を提案する姿は、「思いやりとサプライズ」という経営理念へのあくなき追及を感じました。
オーダー率100%のキラーコンテンツを、さらにお客様満足へ繋げ、尚且つコスト減を成功させた「定番商品のブラッシュアップ」、どこの居酒屋にでもある定番商品に驚きの付加価値をつけて提供する「直球商品の豪速球化」など、独自のスタイルで創り出す、お客様に楽しんで頂きながら満足度を高める取り組みの数々は、多くの飲食店にとって学びになると感じました。
さらに人材育成という点では、全員が全員をモチベートすると言うスタイルの元、自発的な取り組みを評価することで小さな成功体験を積み重ねるなど、7項目に及ぶ取り組みが仕組化されている。その全てがスタッフの輝きの場をつくる為に存在するという考え方は、飲食業界へ大きな刺激を与えてくれると感じ、選出させていただきました。