平素は格別のご高配を賜りまして深く御礼申し上げます。
初代理事⻑の⼤嶋より脈々と受け継がれたバトンを前期理事⻑の⼭崎より受け取り、８代⽬理事⻑を仰せつかりました⽒⽥善宣と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

　この度は⼤変お忙しい中、2023年度 居酒屋甲⼦園⽅針発表会にお越しいただいた皆様、LIVE配信をご視聴頂いた皆様へ、心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。そして⽇頃より居酒屋甲⼦園が掲げる「共に学び 共に成⻑し 共に勝つ」という理念のもと「居酒屋から⽇本を、世界を元気にする」という⽬的の為、共に活動してくださる参加店舗様、サポーター企業の皆様、全国の実⾏委員の皆様、歴代の理事の皆様、関わってくださる全ての皆様に居酒屋甲⼦園を代表し深く感謝御礼申し上げます。

　早速ではございますが、少しだけ私と居酒屋甲⼦園の出会いの話をさせていただきたいと思います。
今から16年前、居酒屋甲⼦園の第1回⼤会が⾏われた翌年のことです。福岡の居酒屋にて、当時22歳で店⻑に就任したばかりの私は、売上を上げて会社に認められたいと、⾃分が任せられたお店を⼤繁盛店にする為だけに、1⼈意気込んでおりました。

　当時最⼤の課題は「チームづくり」。会社には、どうやって原価を下げ、どうやって⼈件費を削減するのか、広告宣伝費を使⽤できるだけ使⽤し、いかに経費を最⼩化し、売上や利益を最⼤化させるのか。その手法を徹底的に教えていただきました。店⻑だった私は、様々な事にチャレンジをするも、売上や利益が上がれば上がるほど、チームが崩壊し⼈が辞めていく。決して「チーム」と呼べるような状態ではありませんでした。

　僕は何の為に居酒屋で働いているのか？必死に⾃問⾃答する⽇々の中で、ぼんやりと見えてきた答えは「お客様の笑顔、働く仲間の笑顔」でした。そしてその先に売上、利益がついてくるのではないか。何よりも、そんなお店が作りたいと強く思うようになりました。
　しかし、忙しさに追われる⽇々、寝る間を惜しんで働き、仲間を引っ張ろうとしても現状は変わらない。藁をもすがる思いで書店に⾶び込み、⽬に⾶び込んだのが居酒屋甲⼦園初代理事⻑⼤嶋の著書「てっぺんの朝礼」であり、私が居酒屋甲⼦園を知るきかっけとなりました。

　⼤⼈が変われば ⼦供が変わる
　　　⼦供が変われば 未来が変わる
　　　　　未来が変われば ⽇本が変わる
　
　この言葉に、当時まだまだ未熟だった私は、強烈に⼼の底から湧き上がるエネルギーを感じ、思考、そして具体的な⾏動までもが変わり、そこから出会い、繋がる方たちが⼀瞬にして変わりました。居酒屋を通じて「⼤⼈ってこんなに変われるんだ、居酒屋ってこんなに夢があるんだ」と強く⼼を揺さぶられ、そこから毎⽇朝礼をし、⽬の前のチーム作りに向き合い 自分はもちろん、チームは激的に成長しました。
　あれから16年が経ち、当時まだまだ⼦供だった私の未来を、想像もできない程に変えていただいたと共に「居酒屋から⽇本を、世界を元気にする」という壮⼤な⽬的を共に掲げる同志に囲まれ、またそのひとりとしてこの場に⽴たせていただいております。
「居酒屋甲⼦園の奇跡」と言う本のタイトル通り、私はこの居酒屋甲⼦園に奇跡を起こしていただいた紛れもない1⼈です。2023年から「共に」の精神のもと、次は私たちが沢⼭の奇跡をつくり出してまいります。

　2019年12⽉初旬、中国武漢での第⼀例⽬の新型コロナウイルス感染者が報告され、瞬く間に世界的なパンデミックが起きてから約４年。国難と⾔われる時代の中で、変えてはならないものはしっかり残しながら、柔軟化、多様化する、この時代のニーズに対応し、飲食業界は様々な荒波を乗り越えて来ました。
まだまだ厳しい状況が続きますが、春先には「２類相当」から「５類」に移⾏という業界にとっての確かな光 「希望」が⾒えて来たように感じております。

　しかしまさに今、私たち飲⾷業界は窮地に⽴たされています。飲⾷業に関わる⽅々が、この４年間で深いダメージを受けた中、追い討ちをかけるかの如く世界的に起こる社会課題。
戦争を始め、過去に類を⾒ない円安、原材料、エネルギー資源の価格⾼騰、飲⾷店離れによる⼈材難、各都道府県、市町村でリアルに起きている地域格差。
更に何よりも、これまで⽬を背けてきた10年先の社会課題が、今私たちの⽬の前に雪崩のように押し寄せて来ていると言う現実があります。

　我々居酒屋甲⼦園としまして、創業から１８年間変わらず掲げてきた理念「共に学び 共に成⻑し 共に勝つ」ビジョンは「飲⾷業界の価値の向上」です。
ここには、外⾷産業の活性化、飲⾷業界に携る⽅々がより誇りを持てるように、居酒屋を夢を語る場所に、⼦供たちの憧れの職業にすると言う想いがあります。

　そしてこれまで、歴代の理事⻑がその時代に合わせた中期ビジョンを掲げてまいりました。
前期理事⻑の⼭崎は『Made by Japan　GLOBAL×COOL LOCAL』
世界基準で物事を考え、地域で活躍する。⽇本でつちかわれた居酒屋という⽂化を地域にも世界にも伝え未来へ繋ぐこと。この⽇本の⽂化として継承されてきた居酒屋、そこから派⽣する物事は⽇本だけには留まらず、世界へも未来にも新しい「可能性」を作るという信念を持ち、私⾃⾝も４年間専務理事として共に駆け抜けて参りました。その中期ビジョンを今期も引き継がせていただき、この理念、ビジョン、中期ビジョンを軸に、今期の活動⽅針テーマとして 『共に⽣きる』を掲げさせていただきます。

　⽇本全国に⾜を運ばせていただき、膝を付き合わせ、沢⼭の同志とお話をさせていただく中で、同じ⽇本でここまで環境が違うのかと、地域格差を強く感じました。その背景のもと掲げさせていただいた活動⽅針である「共に⽣きる」には３つの意味を込めました。

１つ⽬は『成⻑』
過去の失敗、過去の栄光や成功にとらわれず、まだわからない未来に不安と恐怖で怯えるのではなく、今⽬の前の⼀歩⼀歩の努⼒、成功や失敗ではなく、挑戦を重ねた先にある確実な「成⻑」と言うプロセスに重き置き、今⽇を懸命に⽣きる。

２つ⽬は『変化』
10年先の未来が⽬の前に押し寄せてきた中で、今⼀度「何の為に」という⽬的を明確にし、時代に合わせて臆する事なく「変化」する。

３つ⽬は『共働』
同じ⽬的の元、ライバル店舗、他業種、他団体、AI等、様々な方と「共働」しシナジーを⽣むことで、より⽬的達成までのスピードを加速させ、可能性を拡げる。今期より居酒屋甲⼦園としましても、外⾷産業に新たな形で希望を⽣みだす⼒強い4名のアドバイザーを理事として迎え⼊れ、共働してまいります。

　私たちは「成⻑、変化、共働」し、『共に⽣きる』ことを強く発信すると共に、居酒屋から日本を、世界を元気にする為、更なる変⾰へと挑戦してまいります。
こうした覚悟のもと今期もたくさんのプロジェクトを企画しておりますが、私からは全国⼤会の変⾰についてご報告させていただきます。

　まず、予選参加エントリー費について、創業からほぼ変えていなかったエントリー費を、予選内容の⼀部を変更させていただき、⼤幅に改定させていただきます。
より多くの皆様と共に学び、成長したいという想いから、1店舗35000円だったエントリー費を19800円という価格に改訂させていただき、⽇本全国の飲⾷店様と「共に⽣きる」を体現いたします。

　時代が⼤きく変化した中、お客様の価値観、ニーズの変化をダイレクトに感じていただくと共に、エントリー店舗様には１年間を通じて様々な⽣きた情報を発信させていただき、過去最多の有料参加店舗様数2000店舗越えを⽬指し、多くの店舗様へ学びと情報を届けてまいります。

　そして今年の全国⼤会の会場は、⽇本⼀影響⼒、そして情報発信力のある関東圏に戻し、パシフィコ横浜にて開催させていただきます。
時代がどんなに変わろうと「共に学び 共に成⻑し、共に勝つ」の理念と「居酒屋から日本を、世界を元気にする」という目的のもと、数えきれない⽅々の魂を揺さぶってきた全国⼤会を、今こそ、更に沢⼭の方々に会場で⾒ていただきたいという強い想いから、会場の選定をさせていただきました。
　
　更に2024年は地⽅⼤会第2弾！ 九州での全国⼤会を開催いたします。
昨年、居酒屋甲⼦園初となる地⽅⼤会である新潟大会の反響と⼤成功により、今後も地⽅都市にて全国⼤会を開催する決意を固めました。
九州の東京、そしてアジアの⽞関⼝でもある福岡の地にて、九州全⼟、⽇本中、アジア、そして全世界へ、希望そして「志と誇り」を発信する⼤会を⽬指し「第17回居酒屋甲⼦園 福岡全国⼤会」の開催を予定しております。

　１年⽬は⽇本中、そして世界中から⾒ても影響⼒のある日本の中心から。２年⽬は⽇本全国の地⽅都市にて、その地域で居酒屋甲⼦園全国大会が開催され、圧倒的な活⼒と可能性、そして希望を⽣む。この２年間で関東、福岡と全国⼤会の場所を変える事で好循環を⽣み出し、次世代にバトンを繋いでまいります。

　また、これから飲⾷業界を⽬指す⼦供達へも夢と希望を届ける為、全国⼤会の会場に⼦供達を無料でご招待させていただくと共に、全国⼤会を⽇本中、そして世界中へLIVE配信し、短年で１万⼈以上の⽅に全国⼤会をご視聴いただけるよう活動してまいります。

　『共に⽣きる』という活動方針のもと、今期より新たに新体制となった⽇本全国60名の理事と共に、居酒屋という⽂化を次世代へ確実に継承し、居酒屋甲⼦園の⽬的である『居酒屋から⽇本を 世界を元気にする』を体現してまいります。
是⾮今年も外食産業にかかわってくださる皆様と共に、居酒屋から⽇本を、世界を元気にして行ければ幸いでございます。

　私たちは、諦めるのではなく、迷った時は険しくとも可能性溢れる道を選択し、成⻑、変化、共働のもと、前のめりに挑戦。そして皆様と共に、⼒強く共に⽣きる２年間にしてまいります。まだまだ至らぬ点も多くご迷惑をおかけすることもあるかとは存じますが、今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

NPO法人居酒屋甲子園
8代目理事長　氏田 善宣