第16回全国大会進出5店舗&優秀店長2名 選出理由
【全国大会進出5店舗 選出理由】
■関東第1地区
《しまね料理とさばしゃぶの店 主水三越前店》
『生産者と共に生きる』
島根で創業し、東京に進出した《しまね料理とさばしゃぶの店 主水三越前店》は、「生産 者と共に生きる」取り組みを推進。中でも大きな成果をあげているのが魚の生産者との取り 組みだ。コロナ禍の経営改善で商品力の強化に努める中、生産者から魚の血抜き技術「津本 式」を学び、店舗で実践。スタッフの技術力を向上させ、血抜きによって可能になった熟成 も価値にして魚料理の商品力を高めた。そうした中、血抜きの技術が縁で出会った島根の血 抜き職人が入社。これを機に新たに自社で水産事業を立ち上げ、現在は、島根で血抜きした 魚を東京に送ることが可能になった。それによって魚の仕込み時間を大幅に短縮し、労務改 善にもつなげている。こうした取り組みを通して、「人材のプロ:飲食人×素材のプロ:生 産者の掛け算による大きな可能性」を示してくれることを期待し、選出させて頂きました。
■関東第2地区
《THE かたなし馬ル一心 One heart》
『おもてなしのグローバルスタンダード』
今回の居酒屋甲子園の第一次から第三次審査である覆面調査にて、外国人スタッフのみの営業で高いホスピタリティを発揮し高得点を獲得。「日本人、外国人」と区別するのではなく、「日本人も外国人も地球人」という発想で外国人スタッフの活躍の場を創出し、外国人社員リーダーも育成している。また店長制を廃止し、「おもてなしリーダー」、「商品リーダー」などによる「組織の横軸制度」を採用しているのも大きな特徴だ。一方で海外にも進出し、シンガポールやカンボジアに展開する5店舗すべてで黒字を達成。「日本のおもてなしは世界に求められている」ことを立証している企業だ。その根幹にあるのは「感謝する」という理念。外国人スタッフにも理念浸透が行われており、高い基準での人材教育と組織運営が伺える。「飲食を通して世界の飲食人の心を豊かにする」取り組みに挑戦している点を高く評価し、選出させて頂きました。
■関西第2地区
《炭火焼肉と韓国料理カンテイポウ》
『廃業寸前から V 字回復の軌跡』
「廃業寸前から V 字復活した経験を通して勇気と希望を届けたい」。その想いの強さと取り 組みの内容を高く評価し、選出させて頂きました。中国出身の女性オーナーが、コロナ禍直 前の 2019 年末に開業した《炭火焼肉と韓国料理カンテイポウ》は、業績不振の中で「5way ポジショニング」戦略を採用し、選択と集中によって店の魅力を強化。中でもお客様の楽し いを生み出す「体験価値」をスタッフが肉を焼き上げる接客などで高め、さらにオーナー自 慢の約 35 種類のタレなどで他の焼肉店と差別化した「韓国式焼肉」のポジションを築いた。 同時に「伝わらない価値は意味がない」と考え、接客トークや店内 POP でも魅力を伝えて ファンを獲得。有料ファンクラブ会員を 220 人から 1000 人以上と 1 年強で約5倍に、 Google クチコミも「117 件/☆4.6」から「1200 件/☆4.9」にし、売上 218%を達成した。
■九州第1地区
《焼肉恩匠 八女本店》
『20 代の新経営!ど田舎でお客様も人材も集める』
2019 年に当時 22 歳の若い創業メンバー3 人で福岡の八女市に開業。駅もない人口6万人の 田舎町、「成功は絶対に無理」と言われた立地で月商 700 万円を達成した。しかも、この人 手不足の時代に、求人広告費を一切使わずに人材を集めることに成功。その原動力になって いるのが SNS でのライブ配信だ。営業前に行う朝礼などを毎日配信し、想いや取り組みを 伝え続けることで「この人たちと一緒に働きたい」という若い人材を市外からも集めている。 そして、お客様も人材も集める店づくりのベースにあるのが「All Amore~全てに愛を~」 という理念だ。それが、地域清掃活動や他の飲食店とのコラボ営業にも反映されている。「恩 返ししたい」という想いの元、「魅力的な大人を創造し続ける」ことを目標に掲げており、 「20 代の新経営」が切り開いていく飲食業の未来に期待して選出させていただきました。
■九州第2地区
《鳥門米門うまいもん。谷山店》
『「外食をやりたい人」を取りもどす』
コロナ禍でたくさんの人材を失い、深刻な人手不足に直面している外食業界。「外食をやりたい人」を取りもどすため、人材育成やチームビルディング、飲食人のキャリアサポートの仕組みをどうしていくべきか。そのヒントを与えてくれる店舗として選出させて頂いたのが《鳥門米門うまいもん。谷山店》。373 席という大箱店舗ながら、社員2名、アルバイト28名での店舗運営を可能にしているのは、人材育成やチームビルディングの確かな仕組みがあるからに他ならない。中でも、 そのポイントになっているのが自社で作成した「ニコニコ学習帳」という冊子。企業理念、行動指針…等々、スタッフが飲食人として成長できる学びが詰まっている。他にも、一人一人が人生と向き合うわくわく人生マッピングシート、オープンウィンドなど、未来に不安を抱えることなく働ける環境創りと未来志向の人づくりに注力している。
【優秀店長2名 選出理由】
▼東京都
一心たん助〜旦〜有楽町店
店長 河村 亮太 様
―「平均月商2,150万円の大繁盛店を支える自走するチームづくり」―
36坪48席で平均月商2,150万円を叩き出す、圧倒的な繁盛店を率いるのは、店長就任歴1年少々、若干23歳の河村店長。
「CSアンケート結果に基づいた毎日の営業後の振り返り、対策立案」により、CSアンケート評価の改善に成功。また、アルバイトスタッフ主体でアンケート評価の改善に取り組むことで、大きなやりがいをつくり、「離職率の低下」「お客様からのアルバイト採用、半年で10名以上」「売上高昨年対比140%」を実現している。
大きな壁にぶつかりながらも、在り方・やり方を変え、理想とする「アルバイトスタッフが自走するチーム」に近づけている河村店長の姿は、多くの気付きを与えてくれると期待し、選出させて頂きました。
※基本情報:一心たん助〜旦〜有楽町店/48席/36坪/客単価7,000円/駅徒歩5分
▼鹿児島県
炉端 修
店長 吉野 啓介 様
―「客単価1,000円アップによる生産性向上で社員の休日増も実現」―
15歳から飲食店でアルバイトを始めた吉野店長。
昨今、人件費の増加・原材料の高騰が叫ばれているが、コロナ禍から「生産性の向上」に着手。
「高単価商品の商品化とスタッフを巻き込んだオススメ施策」「原価管理方法の改善」などにより、2019年対比で「客単価1,000円UP」「売上113%UP」「FL 51.4%の維持」を実現。
また、利益UPにより、店休日を増やし、社員の休みを確保することにも成功している。
コロナ禍で失いかけた飲食人としての自信と誇りを取り戻し、アルバイトスタッフを巻き込みながら、力強く店舗改善を実現した吉野店長の姿は、多くの気付きを与えてくれると期待し、選出させて頂きました。
※基本情報:炉端 修/66席/29坪/客単価4,800円/駅徒歩5分